「見立てあそびや簡単なごっこあそびができるようになると、赤ちゃん時代は卒業です」と
かきました。
個人差はありますが、リボンクラブではおおよそ1歳8ヶ月から1歳10ヶ月くらいになるとお台
所あそびの皿やコップや食材を使ってあそんだり、レールの上の電車を走らせたり、ドールハ
ウスサイズのバスやトイレ、イス、テーブルを利用して、日常の出来事を再現しています。
プラステンの様なリング差しでも赤は赤、緑は緑というように、それぞれの5色の色分けをして
差す事が出来るようになります。
歩く姿勢も安定してきて、踵からつま先の両足が左右へ移行になってきます。
パパやママの大きな靴を履きたがったり、階段を上がりたがるのもこのころです。
いずれも小さな出来事ですが、こうした細部に子どもの自発的な成長が見られますよ。
同じころ「イヤ」と言う言葉がひんぱんに出てきます。
「ダメェ〜」「チガウ」「キライ」のオンパレードになっていくのですが、なぜ否定語を使う
のか?と言うことが疑問でした。
これは両親に「しつけをしてください」と言っているようなもので、適応戦略としてはまずいん
ではないの?と思ったからです。
いわゆる反抗期と言われてしまうのですが、これは「ジブンデスル」の省略形のようです。
心理学者の先生にも反省してもらいたいですね。
反抗期ではなく自立期と呼んでくれれば良かったのに・・・。
1歳児のころのダダコネもそうですが、気に入らないことがあると「チガウ」というように
そっくり返って抗議します。
素直に「ハイ」という窓口から入ったらジブンが何処にいるのか分からなくなります。
「おれはここにいるぞ」と証明していくにはこの戦略しかなかったのかも知れませんね。
そういう訳で、子どもも大変ママも大変という「魔の2歳児」になっていくようですが、「ダメ〜」
「チガウ」「キライ」がハッキリ言える子どもは、ものごとに集中してとりくむ力もあるようです。
かわいい娘に「キライ」と言われたパパには同情しますが、この年齢に子どもは本当にキライな人には
「キライ」という言葉は使いませんので覚えていてください。
「キライ」と言ってもいい人に使っています。
微妙なところを通訳すると「イマハ・・・キライ」と言う感じですが、大人から見ると幼児の自我は
「自己中心的」なのです。
このことを発見したのはスイスの発達心理学者ピアジェですが、子どもの健康な姿ですから慌てない
ようにしてください。
先日のリボンクラブで2歳半の〇くんと3歳になった☆くんが机の上で恐竜や動物を並べてあそんで
いました。
厚みが8ミリで1辺が約15センチの丸・三角・四角の色板の上に恐竜や動物を一匹づつのせていました。
側で見ていた二人のママに「今なにをしてあそんでいるのか分かりますか?」と聞いてみました。
はじめ質問の意味が分からなかったようでしたが「それぞれ一枚の色板に一匹の動物が乗せてあるでしょ
う。一つの板に一つの動物が対応しています。頭で考えてではなく操作によって1対1対応しています。
すごいですね」と説明すると、「そうなんだ」と感心している様子でした。
それからしばらくして、2歳半の〇くんに「いちごを二つください」と頼んでみました。
内心「ちょっと難しいかな?」と思ったのですが、〇くんは食材のおもちゃのところに行っていちごを
1つ持ってきてくれました。「・・・・・」と思っていると、どこからか「いちご」をもう一つ見つけて
きて手渡してくれました。
これで「二つのいちご」を持ってきてくれたことになります。
「やったね」というと、〇くん両足を踏み込んでの喜びようでした。
〇くんも☆くんも良くあそべる子です。
どの子どもたちもこんな風に育ってほしいと思います。
日常生活では〇くんも☆くんも自己中心性を最大限はっきしていてママを手こずらせているでしょう。
それでも子どもたちにとって居心地の良い家庭環境なのだろうと思います。
「子どもたちの中に攻撃性があるということを受け入れなければなりません」これは、イギリスの
精神分析学者ウィニコットの言葉です。
あそびの原動力はこの攻撃性だと思っています。